鮟鱇による庖丁式の創案について ―四條心流会同人―
庖丁秘密・料理切り方秘伝の抄の中には三十六之鯉をはじめとし、鯛、鱸、まな鰹、鮒は勿論のこと鯒(コチ)が記載されています。そして地を這う魚は下賤にて儀式庖丁の俎板には乗せないとも聞いた王余魚(カレイ)や鯰(ナマズ)・鮹(タコ)の切形も、江戸時代料理本集成の中に四條家の秘伝として残されているのに、鮟鱇はどこを探してもございません。
しかしながら我らが師の常なる教授は、古来よりの儀式庖丁を正しく継承するべきは当然のことであるが、姿形にとらわれるのではなくあくまでも庖丁人の「心」の具現であると諭されております。
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| 鮟鱇(アンコウ) |
四條心流会 |
四條流儀式庖丁の文献には鮟鱇を扱った記録はありませんが、今回、四條心流総指南役・横森利光師が二年の歳月を経て漸く創案いたしました。鮟鱇は身はもとより皮、臓物鰭・骨すら食べられる、捨て身のないすこぶる経済的な魚であり、俗に「鮟鱇の七つ道具」のいわれはご周知の通り、柳肉(頬肉部・魚肉部)、皮、とも(ひれ)、ぬの(卵巣)、水袋(胃)、えら、肝(肝臓)のことをいいます。
この海の宝物・鮟鱇を糧とする地元の方々が、この天の恵みに感謝する意を如何に表現するかを思考しました。それが地元茨城・大洗磯前神社に奉納するべく誕生した『祭事之鮟鱇』であります。
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