「よかっぺ大洗」大洗観光協会
「大洗磯前神社」

主催/ 大洗観光協会 ・ 企画実行委員会 ・ 宿泊施設青年会
協力/ 横浜料理人組合萬屋睦社四條心流会同人 後援/ 大洗磯前神社


鮟鱇庖丁式実行委員会 メンバー募集のお知らせ


鮟鱇庖丁式への思い


冬の風物詩「鮟鱇」は、茨城の郷土食文化を支える重要な存在との認識が定着しております。

県下を代表する観光地である大洗においても、冬の鮟鱇はお客様をもてなす特別な食材として大切にされてきました。
郷土料理に関わる私共の暮らしは「鮟鱇」によって冬をしのぎ、支えられているといっても過言ではありません。


食材「鮟鱇」の生命に対して感謝の意を捧げ、優れた鮟鱇料理を調理提供し続けるよう自らを戒める―。そのような態度は素直に大切な事であると考えます。

そこで、後世代に郷土食文化と料理人の精神を継承しつつ、地域の繁栄を願う儀式としてまとめられたのが「鮟鱇奉納庖丁式」でございます。


大洗の繁栄を願い



庖丁式とは

 右手に庖丁刀、左手に真魚箸を持ち、まな板の上に置かれた料理材料には素手を触れずに、自身の六根清浄を念じ、天下泰平、五穀豊穣を祈願しつつ、庖丁の錆になる料理材料の生命に対して捧げる感謝の意を、一刀一礼の作法にのっとり料理する儀式のことです。
 素手を触れないことは「食品衛生思想」の具現であり、無駄な手数を許されないまな板さばきは「食経済合理化」の実践を示しており、庖丁人の「心」と食材への感謝の気持ちが、優れた料理を作るということを庖丁式は伝えようとしています。

俎板開き 俎板清め 刀参宝
俎板開き 俎板清め 刀参宝

真魚参宝 刀主
真魚参宝 刀主



鮟鱇による庖丁式の創案について ―四條心流会同人―

 庖丁秘密・料理切り方秘伝の抄の中には三十六之鯉をはじめとし、鯛、鱸、まな鰹、鮒は勿論のこと鯒(コチ)が記載されています。そして地を這う魚は下賤にて儀式庖丁の俎板には乗せないとも聞いた王余魚(カレイ)や鯰(ナマズ)・鮹(タコ)の切形も、江戸時代料理本集成の中に四條家の秘伝として残されているのに、鮟鱇はどこを探してもございません。
 しかしながら我らが師の常なる教授は、古来よりの儀式庖丁を正しく継承するべきは当然のことであるが、姿形にとらわれるのではなくあくまでも庖丁人の「心」の具現であると諭されております。
                             
鮟鱇(アンコウ) 四條心流庖丁式
鮟鱇(アンコウ) 四條心流会
    
 四條流儀式庖丁の文献には鮟鱇を扱った記録はありませんが、今回、四條心流総指南役・横森利光師が二年の歳月を経て漸く創案いたしました。鮟鱇は身はもとより皮、臓物鰭・骨すら食べられる、捨て身のないすこぶる経済的な魚であり、俗に「鮟鱇の七つ道具」のいわれはご周知の通り、柳肉(頬肉部・魚肉部)、皮、とも(ひれ)、ぬの(卵巣)、水袋(胃)、えら、肝(肝臓)のことをいいます。

 この海の宝物・鮟鱇を糧とする地元の方々が、この天の恵みに感謝する意を如何に表現するかを思考しました。それが地元茨城・大洗磯前神社に奉納するべく誕生した『祭事之鮟鱇』であります。



鮟鱇で「北斗七星」を形づくる意味

 儀式庖丁『祭事之鮟鱇』は、「鮟鱇の七つ道具」を星座「北斗七星」の形に置き換えて祀り、大洗磯前神社に奉納します。何故「鮟鱇」で「北斗七星」をつくるのか?その事について解説します。

 日本では北極星や北斗七星は古くから信仰の対象とする「北斗信仰」がありました。また仏教と習合し「妙見菩薩」を祀るという形で広まりました。
 「妙見菩薩」とは「北極星」の神格化された姿であるとされ、目が美しく澄み切っていて、物事の真相を見極める力を持っているとされ、国土を守り悩み災いを消し去り、寿命を延ばす力があるといわれています。また全ての星が北極星を中心に回ることや、航海を助けることから、海の安全を守るということで信仰されていたようです。

 茨城南西部から千葉北部にも妙見菩薩が祀られている寺社が数多くございます。
 これは平安時代、下総国で平国香の軍勢に負け逃れる平将門とその叔父・平良文の窮地を妙見菩薩が救ったという逸話が残されており、それ以後、良文の子孫である相馬氏が妙見菩薩を守護神とし妙見信仰を広められたという経緯によるものとされます。

 この妙見菩薩は単独でも祀られていますが、回りを七星の北斗菩薩に守られている場合も多いようです。
 仏教では以下のように北斗星を星の精とみて名付けています。

  貪狼星(とんろうせい)―――日輪菩薩 (陽徳を司る) 
  巨門星(こもんせい) ―――月輪菩薩 (陰刑を司る) 
  禄存星(ろくさんせい)―――光明照菩薩 (障害を司る)
  文曲星(もんごくせい)―――増長菩薩 (天理を司る)
  廉貞星(れんちょうせい)――依怙衆菩薩 (中央・四方を司る)
  武曲星(ぶこくせい) ―――地蔵菩薩 (天食五穀を司る)
  破軍星(はぐんせい) ―――金剛手菩薩 (兵事を司る)

 またこれを祀れば天災地変を未然に防げるものとして、北斗曼荼羅を本尊とした事実を日蓮聖人は遺文の中に書き残しており、法華経の守護神として有名な話であります。儀式庖丁『祭事之鮟鱇』では、この星の精に鮟鱇の七つの宝を置き換え、北斗星座の形に置き換えて見たものなのです。

配置例 配置図

  貪狼(とんろう)―――柳肉(頬肉部・魚肉部) 
  巨門(こもん) ―――皮
  禄存(ろくさん) ―――とも (ひれ)
  文曲(もんごく) ―――ぬの (卵巣)
  廉貞(れんちょう)――水袋 (胃)
  武曲(ぶこく)  ―――えら
  破軍(はぐん) ―――肝 (肝臓)

 よって儀式庖丁に使用する大俎板に北斗の鮟鱇を祀り、郷土への熱き思いを込めて執刀する事は、天下泰平・五穀豊穣を願う気持ちを素直に表現したものなのです。



当ページの文は横浜料理人組合萬屋睦社第71号会報の記事をもとに、転載・加筆し掲載しています。
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【主 催】 大洗観光協会 ・ 企画実行委員会・宿泊施設青年会
【協 力】 横浜料理人組合萬屋睦社四條心流会同人
【後 援】 大洗磯前神社
【問合せ】 大洗観光協会 TEL 029-266-0788 / FAX 029-266-0134